7月29日

2011年12_29
ネ ットにあ った、毛 沢 東氏「矛 盾論」を読 了。
現 代日 本の主 要な 矛 盾は、...?

一 部 引 用しま す。

矛盾論(一九三七年八月)



毛沢東氏著 


四 主要な矛盾と矛盾の主要な側面

(1)主要な矛盾

 複雑な事物の発展過程には、多くの矛盾が存在しているが、そのなかでは、かならずその一つが主要な矛盾であり、その存在と発展によって、その他の矛盾の存在と発展が規定され、あるいは影響される。たとえば、資本主義社会では、プロレタリアートブルジョアジーという二つの矛盾する力が主要な矛盾をなし、それ以外の矛盾する力、たとえば、残存する封建階級とブルジョアジーとの矛盾、小ブルジョア農民とブルジョアジーとの矛盾、プロレタリアートと小ブルジョア農民との矛盾、非独占ブルジョアジーと独占ブルジョアジーとの矛盾、ブルジョア民主主義とブルジョアファシズムとの矛盾、資本主義国相互間の矛盾、帝国主義と植民地との矛盾、およびその他の矛盾はいずれも、この主要な矛盾する力によって規定され、影響される。

 中国のような半植民地国では、その主要な矛盾と、主要でない矛盾との関係が、複雑な状況を呈している。

 帝国主義がこのような国に侵略戦争をおこなっているときには、このような国の内部の各階級は、一部の売国分子をのぞいて、すべてが、一時的に団結して、帝国主義に反対する民族戦争を進めることができる。そのときには、帝国主義とこのような国とのあいだの矛盾が主要な矛盾となり、このような国の内部の各階級のあいだのあらゆる矛盾(封建制度と人民大衆とのあいだのこの主要な矛盾をも含めて)は、いずれも一時的に副次的な、また従属的な地位にさがる。中国の一八四〇年のアヘン戦争、一八九四年の清日戦争、一九〇〇年の義和団戦争および現在進められている中日戦争には、いずれもこのような状況が見られる。

 しかし、別の状況のもとでは、矛盾の地位に変化がおきる。帝国主義が戦争によって圧迫するのではなくて、政治、経済、文化など比較的温和な形式をとって圧迫する場合には、半植民地国の支配階級は、帝国主義に投降し、両者は同盟をむすんで、いっしょになって人民大衆を圧迫するようになる。こうした場合、人民大衆は国内戦争の形式をとって、帝国主義と封建階級の同盟に反対することがよくあるし、帝国主義は直接行動をとらないで、間接的な方式で、半植民地国の反動派の人民大衆への圧迫を援助することがよくあるので、内部矛盾はとくに鋭くあらわれる。中国の辛亥革命戦争、一九二四年から一九二七年の革命戦争、一九二七年以後十年にわたる土地革命戦争には、いずれもこのような状況が見られる。さらに、たとえば中国の軍閥戦争のような、半植民地国のそれぞれの反動支配者集団のあいだの内戦もまた、こうしたものである。

 国内革命戦争が発展して、帝国主義とその手先である国内反動派の存在を根本からおびやかすようになると、帝国主義はしばしば上述の方法以外の方法をとって、その支配を維持しようと企て、革命陣営の内部を分裂させたり、あるいは直接軍隊を派遣して国内反動派を援助したりする。この場合、外国帝国主義と国内反動派とは、まったく公然と一方の極にたち、人民人衆は他方の極にたち、主要な矛盾を形成して、その他の矛盾の発展状態を規定するか、あるいはそれに影響を与える。十月革命後、資本主義各国がロシアの反動派を助けたのは、武力干渉の例である。一九二七年の蒋介石の裏切りは、革命陣営を分裂させた例である。

 しかし、いずれにしても、過程発展のそれぞれの段階で、指導的な作用をおこすのは、一つの主要な矛盾だけであるということには、すこしも疑いをいれない。

 こうしたことから分かるように、どのような過程にも、もし多くの矛盾が存在しているとすれば、その中の一つはかならず主要なものであって、指導的な、決定的な作用をおこし、その他は、副次的、従属的地位におかれる。したがって、どのような過程を研究するにも、それが二つ以上の矛盾の存在する複雑な過程であるならば、全力をあげてその主要な矛層を見いださなければならない。その主要な矛盾をつかめば、すべての問題はたやすく解決できる。これは、マルクスの資本主義社会についての研究がわれわれに教えている方法である。また、レーニンスターリン帝国主義と資本主義の全般的危機を研究する際にも、ソ連の経済を研究する際にも、この方法を教えている。ところが、何十何万という学問家や行動家は、この方法が理解できないために、五里霧中におちいり、核心が見つからず、したがって矛盾を解決する方法も見つけられない。

 過程の中のすべての矛盾を均等にあつかってはならず、それらを主要なものと副次的なものとの二つの種類にわけ、主要な矛盾をつかむことに重点をおかなければならないことは、先に述べたとおりである。だが、さまざまな矛盾のなかで、主要なものであろうと、あるいは副次的なものであろうと、矛盾する二つの側面は、また均等に扱ってよいだろうか。やはりいけない。どんな矛盾であろうと、矛盾の諸側面は、その発展が不均衡である。ある場合には、双方の力が匹敵しているかのように見えるが、それは一時的な相対的な状態にすぎず、基本的な状態は不均衡である。矛盾する二つの側面のうち、かならずその一方が主要な側面で、他方が副次的な側面である。主要な側面とは、矛盾の中で主導的な作用をおこす側面のことである。事物の性質は、主として支配的地位を占める矛盾の主要な側面によって規定される。