2011年7月14日

D e P r i n c i p a t i b u s を中 公 文 庫の新 訳 版で読 了。


第 三 章

領 地・占 領 地 の維 持 ・領 土 獲 得の 駆 け 引 きについて述べられている。

言 語・風 習・制 度が 同じ領 土を獲 得 した場合 の執るべき策は、「統 治者 を根 絶 やしにすること」だとされている。

言 語・風 習・制 度が異 なる領 土を 獲 得した場合の執 るべき 策は、「新統 治者 の移 住」、「移 民 兵(colonie)派 遣(p.17)」、であり、そして「弱 小 国の盟 主は対 等 以上 の外 部 勢 力の 介 入をさせてはいけない」、とする。これを言 い換 えれば、「ロ ー マ人が各 地に進 出 したのは、それぞれの属 州の住 民の 手 引 きがあってのことだった。(p.19)」

「移 民 兵 派 遣 」の反 対 概 念が 、「武 装 し た軍 の 駐 屯」 と さ れ てい る。 現 代日 本 の い わゆ る “ 思 い やり 予 算”は、やは り 駐 屯に対する費 用と 素 直 に捉 え る と、 駐 屯 策 の デメリット を 駐 屯さ れ る 側が 忖 度 し て打 ち消している、ということだろうか。

なお、ロ ー マ は 、い わ ば “ 予 防戦 争 論”を実 行 していたのか。「ロ ー マ 人は フ ィ リ ッ ポ ス や アン テ ィ オ コス を イ タ リア 本 土 で 迎え う つ 愚を 避け て 、 ギ リ シ アの 地で 戦 い を しかけた 。当 時 の ロー マ は 避け よ う と思 え ば、そのどちらも避 け ら れ たかもしれない。ところが、彼 らはそれを 望 まなかった。(p.21)」