11月24日

How to Make War (Fourth Edition): A Comprehensive Guide to Modern Warfare in the Twenty-first Century
この本のオンライン書評のうちの一意見が面白かった。

書評の要約:

著者のダニガン氏は、殆どが手作業で進める軍事シュミレーションを1960年代後期から1990年代後期まで作り続けた。コンピューターの台頭は、得るところの多い作品を作るという点において、彼を、相対的に取り残した。

この本は、幅広い軍事トピックスへの入門用か、ゲームとしてのシュミレーションに興味がある人たちにぴったりである。つまり、歴史や軍事分析の文民の人たちに向いている。

911以降、そして、現在のイラク戦争等については、役立つ程度には、ふれられておらず、最初の湾岸戦争の教訓については、結局、多くは解説されていない。

ダニガン氏は、陸・海・空の職業軍人として、実際に人員や装備を率いて指揮したことはない。彼は、多くの事例に対し、良い洞察を行っているけれども、この本は多くのトピックの表面だけをなぞり、挙げられた数値の背後にある、心理・政治・専門的背景を、絶対に、実際に説明していない。

この本は、題材を、数量的な分析と、複数の体系の技術的な説明によって簡易化して、トム・クランシーのフィクションのような、理想的でローマンティックなものの見方にまとめている。

John Keegan氏の本のほうが、戦争における人間と、いかに勝利するかについて、理解させてくれ、まだましだ。

書評の要約この項以上:

若い頃は気鋭で、政府か軍が予期したシュミレーションというものよりも、実際にダニガン氏が軍にに頼まれて作ったシュミレーションのほうが、むずかしい-まあ、断るための口実だったかもしれないが-、とまで言われた。しかし、現在は、職業軍人側のほうが多くを得、進んでいる、という意見の書評、こういう背景だ。ちなみに、この書評では、”学者”はとりたてて登場しない。

以前の版の本を少し手直ししただけで、版がえしただけというのが原因ではないか?ゼロベースから創るくらいの勢いがないのに、昔の作品の読者等がいて、ある程度新作本が受けてしまうと、字数を多く書きたい書評にさんざん題材にされてしまう。

日本には殆どあてはまらない話だが、そのままでも、反面的にも、いろいろと視点に含蓄はある書評だ。背景から切り離して類推すると、有益だ。

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2012-04-24
会計概念の上位に高度な政治的判断?日本の国家予算が逼迫しているというのは、事実であると同時にそれはまた、虚構でもあるようだ。