2011年1月9日

二日前に買った本の中で、三島由紀夫氏の「若きサムライのための精神講和」を読み始めてしまう。「平凡パンチ」誌の姉妹誌に掲載されたものを集めた本だそうで、まずは「作法とは」という作品が印象深かった。
礼と戦いとは、一見相反するようだ。戦いといえども、理性で相対化することはできる。そして例えば、動物のうちで同種を殺すのは、アリ、ヒト、ともう一種類だけだそうで、理性の有無という考えかたではなく、行動のパターンという考えを執れば、それは、人間でなくとも存在するのかもしれない。
礼とルールとは、区別して考えたい。戦いに即していえば、礼は戦いの前後、ルールは戦いの最中・戦いそのものを規定する、という違いがある。ルールを守りつつ、その規定内で意外な動きをして勝つと、感心・感動させられる。作法は、三島氏が「自分の身を守る鎧」だと言うように、礼は、知恵たる鎧なのでしょう。
問題は、現実の生活での、礼とルールの峻別などにあるかもしれない。
なお、英語のモラルには、eが付くか付かないかによって、「倫理」と「士気」との2つの言葉があったと思った。

初出2009年12月15日(火)