2011年6月8日

扱う時間や空間が大きい、戦略級の意思決定は、紙やコ ンピュー ターのシミュ レー シ ョンであっても、現実の意思決定であっても、抽象度が高いので、似通ってくる。言い換えると、この戦略級という、いわば“戦級”では、現実の意思決定であっても、まるでシミ ュ レー ションのようなインター・フェ イスを介して麾下に意思決定することになる蓋 然性が高い。

また、戦略級は、他の戦級に比べ、意思決定に費やす時間の制限は緩く、そして、現実には責 任論といった、決定周囲の決定機構/組織に加えられる、あらまほしき新 陳 代 謝 圧力のほうが大変であったりする筈なのだが、ともかく同意するむきは少ないだろうが、戦略的意思決定自体、そのものは、他戦級に比して、容易だと思う。もちろん、決定に至るまで、どんな観点から決定項目を創造的に編み立てられるか、分業ならどんな決定項目を決定機構に上げられるか、など意思決定自体の周囲に関する事項は重要である。

現在のシミ ュ レーシ ョンに関し、戦術級は、対C P U対局は醍醐味がなく、コン ピュ ーターに載ったシミ ュレ ーションを対人対局するのが、最も進んでいる。膨大な計算はコン ピュ ータ ーにさせ、戦場の霧もコンピ ューターが第三者と同じ役割をするから、容易にシ ミュ レーションされる。

シミュ レー ショ ンに限らず、意思決定の戦級は、扱う時間、空間、 ユニット規模等から、戦略 級・作戦級・戦術級と分類するむきが多い。しかし、商業出版シミ ュ レーシ ョンの多くに接してみると、戦略級の一部、作戦/戦術級、個人単位の戦闘級に、分類の境目ではなく分類グループのゆるやかな中心を置くほうが、実はしっくりくることがわかる。