11月30日


Origins of World War I (1969)
Origins of World War II (1971)
Pacific Origins (1977)

シュミレーション・ゲームの紹介。ゲームといっても、紙で作られている、大人用のボード・ゲーム。

ロンドン周辺の社交クラブの話が日経新聞に載っていたことがあり、読むと、設備の紹介にカード/トランプをする部屋、などという項目があって、そういうものなのか、などと思ったことがあった。はたして、そういうところでボード・ゲームは禁止かどうかは、不明ですが。

ボード・ゲームのうち、シュミレーション系統のもの、日本では、社会人用のサークルを長年続けてらっしゃるかたがたがいます。そういうサークルでは、隊員のかたや背広組のかたも散見した。上記のOrigins of World War II 、然るサークルの会長氏に、第二次大戦直前の状況をマルチ・プレーヤーで動かして、云々かんぬん...ってあったでしょ、あれ、何っていうんでしたっけ?と、たずねて、「それって〜のこと?〜のこと?、それともオリジンのこと?」とわざわざ応えてくれた、という記憶があります。

Origins of World War II (1971年) 、邦題は「第二次世界大戦の外交戦」、もとの出版社はアバロンヒル社/Schmidt Spiele社、デザイナーはダニガン氏とAH社の当時の社長だったらしいThomas Shaw氏となっている。

Thomas Shaw氏は、ほかにも、Air EmpireBaseball Strategy、The Battle of the Bulge、Bismark、Blitzkrieg、C&O/B&O、Decathlon、Doll House Game、Football Strategy、Kriegspiel(商業出版の“兵棋”)、などを作っているそうだ。

アバロンヒル社の製品テストの基準については、高いとの評価がされており、かつ、1970年代のシュミレーションはルール量は少ないものが多かったことは、その当時は、現在と比べて、相対的に、だいぶ一般化していたこととも通底しますね。例えば、Kriegspielは当時、8万6000部以上売れたようです。なにかのまちがいじゃなくて?- 1970年代の作品の多くは、現在でも、中古市場で殆どが廉価で売買されています。

日本人デザイナーでもあるH場氏の感想を引用します。「〜ゲームに限った話ではありませんが、大人になったからこそわかる面白さというのはあると思います。このゲーム、ルール自体は極めてシンプルで、プレイヤーは第二次世界大戦直前の各国の首脳となり、各地に自国の影響力を示すPFマーカーを置いていくだけ。その結果、それらの国からの理解を得たり、(政治外交的に)支配したりします。そして、各国ごとに定められたポイントを最終ターンに集計して勝敗を競うことになります。このゲームの優れたところは、マルチゲームではあるものの、イコール・コンディションではないところ。むしろ、各国ごとに毎ターン使用できるPFマーカーの数がまったく異なり、それによって国ごとの性格や目的を明確にしていると言えます。」

他にも、最近の作品で、例えば、米ソの冷戦期の世界といった現代がテーマで、長い時間軸をあつかった作品としてはTwilight Struggle (2005)などがある。これは、シュミレーションも扱う巨大サイトの投票で、レーティングに参加した票が6781票、コメントが2599数あり、ストラテジー・ゲーム全体で2位、ボード・ゲーム全体でも2位、という近年の極高評価を受けている一品です。

出版社のGMT社のサイトに行って、この作品のみならず、最近の作品のルールは最新ルールが公開されているので、サイトでルールを見てみると、いかに最近のものはルールの絶対量が多いか、一般の人は感じることでしょう。そんなに敷居が高くみえても、世界全体では、かなりファンがいるというのも、ふだんは感じない現実ですね。

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2012-04-30

ブログ晴耕雨読氏から引用。


槌田氏の2002年10月14日、盛岡での講演録からの抜粋です。


軍用プルトニウムの濃縮度は94%以上ですが、高速炉で作ったプルトニウムは、『もんじゅ』の場合濃縮度は97.6%で、『常陽』では99.4%です。高速炉を持っているフランスと日本は簡単に核兵器が作れる国なのです。だから先程フランスの核実験が、白人国家の連合としておこなわれたのです。この高速炉で発電もすると、熱を媒介する物質としてナトリウムのほかに水も使うことになるので、『もんじゅ』のように事故多発が悩みの種です。しかし、発電しないというのであれば、水を使う必要がなく、『常陽』のようにほとんど事故を起こさず、軍用プルトニウムを生産できます。さきほども述べましたが、『常陽』は今は軍用プルトニウムは作っていませんが、いつでも復元改造すれば軍用プルトニウムを作ることができます。しかし、そろそろ『常陽』も寿命がきていることが問題です。 ところで、軽水炉から作るプルトニウムが、まったく原爆に使えないという訳ではありません。軽水炉で得られるプルトニウムの濃縮度は60%ですが、これをレーザー濃縮で94%以上に高めればよいのです。しかし、どうやらこれは失敗したらしいのです。アメリカはこのレーザー濃縮でウランを濃縮するといっていましたが、中止してしまいました。日本もウランのレーザー濃縮については研究さえ中止しました。ウランも濃縮できないような方法がプルトニウム濃縮に使える筈もありません。結局、軽水炉から得られるプルトニウムは利用価値がないことになったのです。発電用として使うには費用がかかり過ぎ、軍用にも使えないので、日本以外の国では、使用済み核燃料は再処理せず、すべて廃棄する方針です。

中性子爆弾と水爆】

 中性子爆弾や水爆はこのプルトニウム原爆で得られる1億度という高温を利用して核融合させる爆弾です。中性子爆弾は原爆を爆発させて中性子と高温を得、これによりトリチウム重水素核融合させ、大量の中性子を発生させる爆弾です。大きさは直径16センチ、長さ40センチ程度で、兵隊が持ち運ぶこともできて大砲で使えるきわめて小さい核兵器です。これに用いるプルトニウムは2キロ、トリチウムは数10グラムです。 通常の水爆の核弾頭は、円錐形で高さが1メートル、底辺の直径が30センチ程度、その最下部に球形のプルトニウム爆弾が入っています。これを爆発させて、中性子と高温を得て、その上にある重水素化リチウムを核融合させます。そこで得られる大量の中性子を最頂部にある濃縮ウランに当てて、核分裂反応させるというものです。つまり、原爆−水爆−原爆という3重の爆弾です。トリチウムも必要ですが、その量は3グラム程度とごく少量です。 日本は、軍用プルトニウムを生産できる『もんじゅ』と『常陽』を所有しています。軍用ウランは六ヶ所の濃縮工場で生産できます。しかし、日本にはトリチウムを作る装置がありません。トリチウムを大量に持とうとすると世界中から疑惑の目で見られます。そこで、トリチウムを作る口実が必要です。そのため、日本は核融合実験炉ITER(イータ)を誘致しようとしているのです。ITERの建設が認められれば、トリチウムを1.5キロ所有することができます。水爆に必要な量3グラムの500倍という巨大な量です。そして、トリチウムを製造するのに、原発を改造して、トリチウム生産炉にすることもできます。だから何としてでもITERが欲しいという事になります。ITERさえあればトリチウムをいっぱい作ってもよいのです。トリチウムを作る原子炉としては、六ヶ所村の隣にある東通原発が利用できます。この原発消費地の東京から遠いため、遠方に送電することになるので、電力の損失があり送電費用がかさみ、経済的ではなく、ITERのために国が買い上げてくれればよいと電力会社は思っています。このようにして、六ヶ所に建設予定のITERとともに下北半島核兵器工場地帯となるのです。中性子爆弾は1発の値段は3億円です。同じ大きさの小型原爆(戦術核)は1発1500万円ですから20倍もします。その違いは、トリチウムの扱いが困難で費用がかさむからです。それほどトリチウム技術は大変なのですが、これがITERの開発で取得できることになります。核融合研究は核武装の準備そのものなのです。多くの日本人は、日本の核武装アメリカが許さないと考えています。しかし、アメリカはすでに方針を変更しています。日本がアメリカの管理のもとに核兵器を作ることを許しています。そのことは、高速炉『常陽』と『もんじゅ』の使用済み燃料を再処理する技術をアメリカは日本に売ったことで明らかです。これは、大きさが10センチ程度の小さい遠心分離機ですが、使用済み燃料の硝酸溶液から軍用プルトニウムを抽出するために必要な技術です。軍用プルトニウムを現存の再処理工場で抽出することは、臨界の危険があるのです。そこで、このように小さい抽出装置が必要なのです。この軍用プルトニウムの再処理工場RETFが現在東海村の再処理工場の隣に建設中です。

2002年の時点で、すでに古いとされている高速炉、“常陽”だが、ひらがなの名前でないことがちょっと気になった。日本の発電所の名前は漢字だが、炉はひらがな、または上記にあるようにアルファベットで命名し表記するものと勝手に思っていた。常陽の表名方法になんの来歴もなく、たまたま漢字だっただけなのかもしれないが、もし兵器そのものだったら、旧軍の兵器は漢字で、自衛隊の兵器はひらがなで命名し表記されているだろうものをよく目にするからだ。