2011年1月18日

「もし世界の経済が100万円とかだったら」こう書房2004年、読了。絵や図表が多い、軽い本だった。桁を少なくした数字を用いて、世界統計をいっぱい、原則見開きで1話が223ページある。最初のアイディアでずっとゴリ押し、という印象も受ける。世界が100人の村だったら、を“リスペクト”しているわけですね。
統計は古いものだが、例えばトルコの公定歩合や準通貨の割合の高さは、じゅうぶん印象に残った。これと、実際に投資するかは、別問題なんだろうが、それについてはなにもふれてはいない。よく知らないが、もしもっと後に出版されていたら、エジプトのこととか、扱ったのだろうか。
日本の貿易依存度が意外に低いとか、お金とお金の交換はお金と物の交換の100倍もある、とかは、実感しやすいしくみで記されている気もした。
それにしても、世界の1日の外国為替取引の棒グラフというのも変な表だ。合理的なのか非合理的なのか、よくわからない。現実である雑そのものであり、なんだか見ていておちつかない。人類の社会のしくみのひとつとして、ほんの少しずつ良くなっている、という類のものは、その改良の遅さゆえに、なにかこう、安定性があるのだと思うのだが、そうでもないようだし。


初出2010年1月4日