2011年7月26日

D e P r i n c i p a t i b u s


第 二 十 章

筆 者 の祖 父の 時代 は、「ピ ス ト イ アを治 めるには派 閥 争 いが、ピ サを治 め る には城 壁が必 要だ」と口 慣らして、自 分 達が支 配した領 地を円 滑に 統 治でき るように、内 輪もめ を 起 こさせていた。この策 について、筆 者は反 対し、「強 靭な 君 主 国にあっては、内 部 の分 断 政策などけっして認 められるものではない。なぜなら、平 和な時 代で こそ 、この 手 段で 領 民をらくにあやつって、効 果を あ げられもしよう。だが、いったん戦 争と もな れば、この政 策の 失 敗は、歴 然と してくる。(p.125)」「勢 力 の 弱 い 側が、きま って外 国の勢 力とよしみを通 じる ため、強 い 側 が 対 抗 できなくなる。こんな内 紛 都 市は、敵 が 押 し 寄 せてくれ ばたちま ち 奪 われてしまう。(p.124)」

領 土 維 持・統 治の 為 に 内 紛を 起 こ させると、それは、 新た な 被 征 服 に つ ながってしまう、という。とこ ろで、筆 者は 、第 二 十 一 章で、“中 立”の道 は 選 ん で はいけないと主 張し た上で、繰 り 返 し言 う が「必 要 や む を え な い ば あ い のほか、自 分より 強 力な者と 手を 組 んで、第 三 者に攻 撃 をし かけないことだ。その 理 由は、勝 利を 収 め ても、その 者の 虜 囚となってしまうからだ。」としている。この、一 見 ク リ シ エ に 見え る部 分に“必 要 や む をえない 場 合 のほか”という、制 限留 保というか譲 歩が 入っている。僅 か な こ とではあ るが、どういう ことだろうか。

I) 弱 小 国は、対 等 以上 の外 部 勢 力の、自 国へ の介 入を させてはいけない
II) 強 国 に 対す る抑 制 方 法は、強 国 叩 きが原 則 だが、例 外と して、強 国 間 を勢 力 均 衡させて抑 制させるべきときがある
III) 強 国は、予 防 戦争 を 仕 掛 けうる
I V) 中 立 は いけ ない
V) 強 国 に 対す る統 治 方 法として、分 断 政 策は、平 和 な 時 代 には 効 きもするが、戦 争状 態 と なる と、 その政 策によって領 土経 営が 破 綻する
V I) 必 要 やむ をえない場 合の ほか、対 等 以上 の 外 部 勢 力と 組ん で、 第 三 者 に 攻 撃を仕 掛 け てはいけない